掛川層群の化石「天狗のお爪」
「天狗のお爪」といわれる化石はサメの歯化石です。江戸時代の文献にも「天狗のお爪」として登場しています。
見るからに爪のような形で、しかもエナメル質の輝きがあり神秘的です。掛川地方では長径5~6cmのものが時々採集できます。写真の歯は長径約4.5cmで体長は5mくらいあったと思われます。今から約220万年~250万年前の大日層で採集したものです。
掛川市大東町では、昔から小笠山の天狗様のお爪として大切に神棚などに祀られており、戦時中にはお守りとして戦地に肌身に着けて行ったそうです。このサメの種類は「ホオジロザメ」のほか「アオザメ」が多く、「シュモクザメ」や「カグラザメ」など変わった形のものもありました。小笠山の麓で開墾をしていた時に山から出てきたということでしたので、おそらく小笠山礫層の下部の土方泥層からの産出と思われます。このサメの歯は第4紀更新世の化石と思われます。